【2025 FHIXフォーラム in 沼津】地域の未来を切り拓く受賞発表セレクション

はじめに

 2025年11月16日(日曜日)、沼津市立図書館4階視聴覚ホールおよび展示ホールにおいて「2025FHIXフォーラム in 沼津」が挙行されました。本誌面では、同フォーラム内で行われた「高校生・大学生・社会人による研究活動発表」に焦点を当て、優れた知見を示し受賞の誉れを手にした作品について、その概要を報告します。
 

1.一般/研究 部門 

最優秀賞

著者:小泉香織,谷澤真美,安倍彩海,袴田歩里,黒田真史
所属:常葉大学社会環境学部
タイトル:Citrobacter freundii RP3のセレン代謝の分子機構の解析
 主要な水環境汚染物質の一つであるセレンは、環境微生物の代謝を受けて移動性が変化することが知られており、この過程を詳細に明らかにすることはセレンの環境動態を理解し浄化と保全を達成する上で重要である。本研究では、巴川(静岡県静岡市)から単離された細菌Citrobacter freundii RP3について、そのセレン代謝の機構を分子生物学的手法により解析した。RP3株ゲノムへのmini Tn5のランダム挿入によって作製した変異株ライブラリーから、セレン酸還元能変異株24Gを単離した。mini Tn5挿入位置を解析したところ、ゲノム中にmini Tn5は3箇所存在し、うち1箇所の近傍には、細菌の嫌気性呼吸鎖における電子伝達を担うメナキノンの代謝関連遺伝子が存在したことから、この遺伝子のセレン酸代謝への関わりが推測された。また、ゲノム解析から確認された硫黄・セレン代謝関連遺伝子であるynfE1E2FGを相同組換えにより破壊した変異株を作製し、セレン酸代謝能力の影響を確認した。
 

優秀賞

著者:長澤稔幸1,田中康平2,高橋幸弘3,鈴木静男1
所属:1沼津工業高等専門学校,2熊本大学,3北海道大学
タイトル:衛星画像を用いた養殖筏の検出と津波の流速分布
 近年、世界の人口増加や水産物消費量の増加によって漁船漁業による天然魚のみでは水産物の供給が不足している。そのため、安定した量と質を確保できる養殖の需要が高まっている。日本では、養殖筏を用いた垂下式の海面養殖が多く行われている。養殖筏は津波による被害が大きいという課題がある。そこで、衛星画像を用いて日本の養殖筏を自動で検出・マッピングを行い、得られたデータから津波による被害量を予測することを目的とした。本研究では、衛星画像を用いて養殖筏の検出を行うモデルの作成を行った。QGISを用いて、衛星画像の養殖筏や陸地、海の各バンドの値と標準偏差を調べ、入力画像に使うバンドを決定した。学習には複数バンドの入力画像を用いた。U-Netという手法でセマンティックセグメンテーションによる学習を行い、養殖筏の検出を行うモデルの作成を行った。水深データと津波高予測データを用いて簡易的に津波の流速分布の推定を行った。
 
 

2.一般/活動 部門 

最優秀賞

著者:池ヶ谷海,肥田友希,大庭勝久
所属:沼津工業高等専門学校
タイトル:リアルタイム物体検出モデルによる鳥獣害対策への試み
 近年、AI画像処理技術の発展により、映像解析を用いた自動監視や識別の応用が広がっている。一方で、日本では野生動物による農作物被害や人身被害が深刻化しており、令和5年度の被害額は約164億円に達する。特にシカ、イノシシ、サル、クマによる被害が顕著である。従来の柵や罠、捕獲による対策は高コストや安全面、担い手不足の課題を抱え、光・超音波を用いた忌避技術も「慣れ」により効果が低下することが報告されている。これらを踏まえ、加害鳥獣をリアルタイムに識別し、行動特性に応じて能動的に対応する技術が求められている。本取り組みでは、リアルタイムモニタリングによる鳥獣識別を目的に、物体検出AI学習モデルを構築し、シカ・イノシシ・サル・クマの4種を対象に被害軽減および個体数管理への応用を目指している。本報告ではAIモデル構築に関する内容を中心に報告する。
 

優秀賞

著者:鈴木留美子,Kirill Kryukov
所属:国立遺伝学研究所
タイトル:ゲノムデータベースGenomeSyncでゲノム読解の現状を可視化する
 我々は、あらゆる生物のゲノム情報を収集するデータベースGenomeSyncを構築・維持しています。GenomeSyncは、細菌やウイルスだけでなく真核生物の完全ゲノムも含み、定期的に更新される大規模なデータベースです。最近、環境中や検体に存在するDNAを解析するメタゲノム解析が盛んに行われていますが、既存の参照データベースは細菌由来のDNAの同定は得意でも、真核生物のDNAの同定は苦手です。GenomeSyncは真核生物のゲノムデータも網羅し、サンプル中のDNAを包括的に扱うことができます。またGenomeSyncは、現在どの生物種のゲノムが読み取られているかを簡単に知ることができます。今回、このデータベースと絶滅危惧種のデータを組み合わせて、危惧種のうちどれぐらいの割合がゲノムシーケンスされているか、見ることができるようにしました。
 

優秀賞

著者:遠藤大介
所属:美しい伊豆創造センター
タイトル:伊豆半島ジオパークにおける伊豆石の保全と活用
 伊豆石は、伊豆半島およびその周辺に産する歴史的・文化的に重要な天然石材の総称で、硬質でおもに城郭等に用いられた安山岩質の堅石と、軟質で民家や蔵等に使われた凝灰質岩の軟石に大別される。伊豆石を産する伊豆半島は世界で唯一、二列の活動的火山弧が会合する地点に位置し、過去約2000万年間にわたり火山活動が繰り返されてきた地域である。伊豆半島ジオパークでは、伊豆石を人と自然の相互作用を示す貴重な地質遺産・文化遺産ととらえ、採石場跡地や関連遺構の保全、ジオパーク関連施設等での展示・普及活動をおこなってきた。また、近年伊豆石の学術研究が進み、とくに明治日本の近代化における経済・産業史上の位置づけや重要性が再認識され、伊豆石が地域の遺産であるだけでなく、日本を代表する天然石材遺産であるという認識が一般に広まりつつある。本発表では、伊豆半島ジオパークにおける伊豆石の保全や活用に関する取り組みについて報告する。
 
 

3.高校生/研究 部門 

最優秀賞

著者:池田陽菜,大瀧美羽, 田口莉子,濵田侑希
所属:静岡県立三島北高等学校
タイトル:ベトナムの廃棄エビ殻が生まれ変わる!環境と健康のW貢献
 私たちはベトナム研修をきっかけに、主要輸出品である冷凍剥きエビと深刻化するゴミ問題に注目しました。ベトナムでは廃棄物処理場の多くが5年以内に満杯になっており、大きな課題となっています。また、冷凍剥きエビの生産過程では大量のエビ殻が廃棄されており、ゴミ問題の一因になっていると考えました。そこで、廃棄されるエビ殻を再利用する方法として「エビ殻を粉末化して練り込んだフォー」と「エビチップス」という2つを考案し、試作しました。これら廃棄物を減らすだけでなく、高齢の女性に多く見られる骨粗鬆症の予防に役立つカルシウムを豊富に含み、ベトナムの食文化にも馴染みやすいため、日常的に健康を促進できます。さらに、パッケージや広告を通じて環境への意識を高めることができ、環境に配慮する行動を広めることにも繋がります。このように、私たちの解決策は、環境・健康・文化・社会の側面で価値を提供できると考えます。
 

優秀賞

著者:青木克仁1,石井悠雅1,奥浦美羽1,長綱凪1,池田樹1,武本汐穏1,山﨑洸1,片山碧1,山本智美2,土屋洋斗2,馬場咲莉2,山本実々2,渡邉麗海2
所属:1静岡県立韮山高等学校,2静岡県立松崎高等学校
タイトル:桜葉漬け産業の活性化と香り成分の研究
 静岡県の西伊豆地区の主要な産業である桜葉漬けは、日本の全国シェアの90%を超える産業である。古くから、伊豆半島の西伊豆桜葉産業がなぜ盛んなのかを韮山高校と松崎高校は3年かけて研究を行ってきた。松崎高校は産業的な方面から、韮山高校は桜葉の香り成分の方面から研究を行った。松崎高校は、地域の菓子店やパン店と協力し、下田市で開催された黒船祭で桜葉を使った菓子やパンを開発・販売するなど、地元の人々と協働して桜葉産業の魅力を発信する活動を行っている。韮山高校は香り成分のクマリンに注目し、その成分は西伊豆に吹く風が要因であると結論付けた。空気中の塩類と土壌中の塩類との関係について今回の発表で報告をする。土壌中の塩類を供給する材料として寒天の搾りかすを利用することを試みるため挿し木を使った実験を行った。詳細の結果については発表にて報告する。
 

優秀賞

著者:仁科千鶴
所属:静岡県立田方農業高等学校
タイトル:おんせんトマト
 ミニトマトの栽培に温泉水を用いることで、糖度および収量に及ぼす影響を検討した。温泉水にはミネラル成分が多く含まれており、作物の生育に良好な影響を与える可能性がある。温泉水処理区と水道水処理区に分けて比較栽培を行い、収穫後に糖度と収量を測定した。結果の詳細についてはポスターにて報告する。
 
 

4.高校生/活動 部門 

最優秀賞

著者:青木心香,江藤那優,鈴木拓斗,福島真梨依,山﨑青葉
所属:沼津市立沼津高等学校
タイトル:沼津愛、包みました
  私達は「沼津の特産品を活かして、魅力を届けるには?」をテーマに発表します。近年、静岡県や沼津市の特産品であるお茶の産出額が減少している為、特産品の知名度向上と沼津市の魅力を発信する新しい方法が求められています。そこで、幅広い世代から親しみやすい形で特産品のお茶ともう1つの特産品のみかんを使ったスイーツの提案・試作をしました。今回は、地元の和菓子店みやこ庵さんと協力し、抹茶の風味とみかんの甘酸っぱさを組み合わせた「まっちゃみかん大福」を開発しました。味のバランスや、見た目の色合いなどに工夫を重ね、実際にみやこ庵さんの店主である中西さんの意見を取り入れながらどのようなスイーツが良いのかなど話し合いを行いました。この活動を通して、地域企業と連携した商品開発の難しさと創造力を活かす面白さや楽しさを学びました。発表では、開発の過程と今後の展望について報告します。宜しくお願い致します。
 
 

5.全部門 

エクセレンス賞

著者:池田陽菜,大瀧美羽, 田口莉子,濵田侑希
所属:静岡県立三島北高等学校
タイトル:ベトナムの廃棄エビ殻が生まれ変わる!環境と健康のW貢献
 私たちはベトナム研修をきっかけに、主要輸出品である冷凍剥きエビと深刻化するゴミ問題に注目しました。ベトナムでは廃棄物処理場の多くが5年以内に満杯になっており、大きな課題となっています。また、冷凍剥きエビの生産過程では大量のエビ殻が廃棄されており、ゴミ問題の一因になっていると考えました。そこで、廃棄されるエビ殻を再利用する方法として「エビ殻を粉末化して練り込んだフォー」と「エビチップス」という2つを考案し、試作しました。これら廃棄物を減らすだけでなく、高齢の女性に多く見られる骨粗鬆症の予防に役立つカルシウムを豊富に含み、ベトナムの食文化にも馴染みやすいため、日常的に健康を促進できます。さらに、パッケージや広告を通じて環境への意識を高めることができ、環境に配慮する行動を広めることにも繋がります。このように、私たちの解決策は、環境・健康・文化・社会の側面で価値を提供できると考えます。
 

エクセレンス賞

著者:青木心香,江藤那優,鈴木拓斗,福島真梨依,山﨑青葉
所属:沼津市立沼津高等学校
タイトル:沼津愛、包みました
  私達は「沼津の特産品を活かして、魅力を届けるには?」をテーマに発表します。近年、静岡県や沼津市の特産品であるお茶の産出額が減少している為、特産品の知名度向上と沼津市の魅力を発信する新しい方法が求められています。そこで、幅広い世代から親しみやすい形で特産品のお茶ともう1つの特産品のみかんを使ったスイーツの提案・試作をしました。今回は、地元の和菓子店みやこ庵さんと協力し、抹茶の風味とみかんの甘酸っぱさを組み合わせた「まっちゃみかん大福」を開発しました。味のバランスや、見た目の色合いなどに工夫を重ね、実際にみやこ庵さんの店主である中西さんの意見を取り入れながらどのようなスイーツが良いのかなど話し合いを行いました。この活動を通して、地域企業と連携した商品開発の難しさと創造力を活かす面白さや楽しさを学びました。発表では、開発の過程と今後の展望について報告します。宜しくお願い致します。
 
 
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